アンニョンハセヨ。
韓国でOLしながら翻訳・通訳の仕事をしているyuka(@allaboutkankoku)です。
韓国語で「~できない」はどのように言うのかご存じですか?
「韓国語できません」や「大人数の予約は出来かねます」など、方法が分からないことを述べる時や、不可能を伝える時に使うワード。
文章を作る上で重要になる「できる」「できない」は韓国語のレッスンでも比較的早く習う文法です。
そこで今回はそんな「できない」の韓国語について、使い分けを例文を用いてわかりやすく紹介していきたいと思います。
この記事を読めば韓国の人との会話でも「韓国語はあまりできませんが~」と前置きを付けたり、「これがうまくできません」などの文章が使えるようになりますよ。
韓国語の「できない」は実は4つもある!
ただ単純な「~できない」と言う単語ですが、実は韓国語には4つの言い方があります。
- ~ㄹ/을 수 없다(~ル ス オッタ)
- 못 하다(モッ タダ)
- ~ㄹ/을 모르다(~ル チュル モルダ)
- 안 되다(アン ドゥェダ)
韓国語のレッスンを受けたことのある人、韓国語を学習したことがある人の中には「~ㄹ/을 수 없다」と「못 하다」は聞いたことがある!という方もいらっしゃるかと思います。
しかし、同じ「~できない」という文章でも「~ㄹ/을 수 없다」を使ってしまうとニュアンスが全然変わってしまったり、反対に「못 하다」だと自分の意としている意味と異なり、失礼な表現になってしまったりすることも。
また、ネイティブはこの二つに加えて「~ㄹ/을 줄 모르다」や「안 되다」も同じく「~できない」という意味で使っているので、この4つの使い分けを詳しく説明していきます。
韓国語の「できない」の基本『~ㄹ/을 수 없다』
まずは基本の形「~ㄹ/을 수 없다」から説明していきます。
この「~ㄹ/을 수 없다」は動詞について使い、「できない」の中でも単純な「不可能」を表すフレーズ。
動詞の語幹のパッチムあり・なしによりㄹ,을が変わり、
- 動詞の語幹にパッチムがある場合「~을 수 없다」
- 動詞の語幹にパッチムがない場合「~ㄹ 수 없다」
となります。
パッチムについてまだよくわからないという方は「韓国語のパッチムとは?発音や読み方を分かりやすく解説」の記事を確認ください。
①「가다(行く)」+「ㄹ 수 없다(できない)」=「갈 수 없다(行くことができない)」
②「먹다(食べる)」+「을 수 없다(できない)」=「먹 수 없다(食べることができない)」
③「공부하다(勉強する)」+「ㄹ 수 없다(できない)」=「공부할 수 없다(勉強することができない)」
④「노래하다(歌う)」+「ㄹ 수 없다(できない)」=「노래할 수 없다(歌うことが出来ない)」
③は頭がいい・悪いを言っているのではなく「勉強ができる状況ではない」という不可能の事実を言っており、④も同様に歌の実力ではなく「歌を歌う状況ではない、歌うことができない」というニュアンスの表現になります。
~ㄹ/을 수 없다の活用
原型 | ~ㄹ/을 수 없다 |
できません(ハムニダ体) | ~ㄹ/을 수 없습니다 |
できません(ヘヨ体) | ~ㄹ/을 수 없어요 |
できないよ(フランク) | ~ㄹ/을 수 없어 |
~ㄹ/을 수 없다を使った例文
감기 걸려서 놀러 갈 수 없습니다
(風邪引いて遊びに行けません)
주말은 일 해야해서 공부 할 수 없어요
(週末は仕事をしなくてはならないので勉強することができません)
목이 아파서 노래 할 수 없어
(喉が痛くて歌うことができないよ)
得意ではない時の韓国語の「~できない」は『못 하다』
こちらも良く見る「~できない」の形ですね。
「~ㄹ/을 수 없다」と全くおんなじ意味と考えている方もいますが、微妙にニュアンスが異なります。
「~ㄹ/을 수 없다」と何が違うのかというと、「못 하다」のニュアンスは先ほどの「不可能」の意味で使う場合とまた「得意じゃない」という意味でも使うこともあります。
①「가다(行く)」+「못 하다(できない)」=「못 가다(行けない)」
②「먹다(食べる)」+「못 하다(できない)」=「못 먹다(食べれない)」
③「공부하다(勉強する)」+「못 하다(できない)」=「공부 못 하다(勉強できない)」
④「노래하다(歌う)」+「못 하다(できない)」=「노래 못 하다(歌えない)」
①に関しては「할 수 없다」も「못 하다」もどちらも不可能の意味で捉えることができますが、②の「못 먹다」は「時間がなくて食べれない」というニュアンスにもなり、または「この食べ物が得意ではない(好きでない)」というニュアンスにもなります。
同様に③や④のは「歌や勉強ができない(得意ではない)」という意味というニュアンスで受け取ることもでき、また④の「노래 못 하다」は「歌が歌えない(歌が得意ではない=下手)」というニュアンスで使われることもあります。
基本的には前後の文脈によって判断して使います。
못 하다の活用
原型 | 못 하다 |
できません(ハムニダ体) | 못 합니다 |
できません(ヘヨ体) | 못 해요 |
できないよ(フランク) | 못 해 |
못 하다の例文
운동은 잘 하지만 공부는 못 합니다.
(運動は得意だが勉強はできません(得意でない))
차가 막혀서 약속시간에 못 가요.
(渋滞していて約束の時間に行けません(不可能))
매운 요리는 못 먹어.
(辛い料理は食べれないよ(得意ではない))
やり方を知らない時の韓国語の「できない」は『~ㄹ/을 줄 모르다』
初級の韓国語の教科書にはあまり載っていませんが、この「~ㄹ/을 줄 모르다」も「~できない」の意味で韓国人ネイティブが良く使う表現です。
意味は「~できない」の中でも「方法が分からない」「仕方が分からない」という意味の「できない」。
「모르다(分からない)」が入っていることからも分かりますね。
動詞の語幹のパッチムあり・なしによりㄹ,을が変わり、
- 動詞の語幹にパッチムがある場合「~을 줄 모르다」
- 動詞の語幹にパッチムがない場合「~ㄹ 줄 모르다」
となります。
①「가다(行く)」+「~ㄹ 줄 모르다(できない)」=「갈 줄 모르다(行けない(行き方が分からない))」
②「먹다(食べる)」+「~을 줄 모르다(できない)」=「먹을 줄 모르다(食べれない(食べ方が分からない))」
③「공부하다(勉強する)」+「~ㄹ 줄 모르다(できない)」=「공부할 줄 모르다(勉強できない(勉強の仕方が分からない))」
④「노래하다(歌う)」+「~ㄹ 줄 모르다(できない)」=「노래 할 줄 모르다(歌を歌えない(歌の歌い方が分からない))」
~ㄹ/을 줄 모르다の活用
原型 | ~ㄹ/을 줄 모르다 |
できません(ハムニダ体) | ~ㄹ/을 줄 모릅니다 |
できません(ヘヨ体) | ~ㄹ/을 줄 몰라요 |
できないよ(フランク) | ~ㄹ/을 줄 몰라 |
~ㄹ/을 줄 모르다の例文
죄송하지만, 영어는 할 줄 모릅니다.
(すみませんが、英語はできません(分かりません))
바이올린은 배웠지만 기터는 칠 줄 몰라요.
(バイオリンは習ってましたが、ギターはできません弾けません(弾き方が分かりません))
ダメのニュアンスで使う韓国語の「できない」は『안 되다』
直訳すると「ダメ」という意味になる「안 되다」ですが、日本語にした時に「できない」という意味で使われることもあります。
例えば「10人なんですけど、利用できますか?」に対して「10人は利用できません」などと言う場合にこの「안 되다」を用いて 「죄송하지만 10명은 안 됩니다(すみませんが10人はできません(ダメです))」というニュアンスで使われることもあります。
「良く」という意味の「잘」を前に付けて「잘 안 되다(うまくできない)」という意味でよく使われます。
「ダメ」というと私たち日本人は少々キツイイメージをもってしまいますが、できないという「不可能」の意味でも使われるので、覚えておくと実際に「안 돼요」と言われた時にビックリせずに済みますね。
안 되다の活用
原型 | 안 되다 |
できません(ハムニダ体) | 안 됩니다 |
できません(ヘヨ体) | 안 돼요 |
フランク | 안 돼 |
안 돼の例文
잘 하고 싶은데 마음대로 잘 안 됩니다.
(うまくやりたいけど、思ってる通りにうまくできません。)
세대가 완전 다르니까 대화가 잘 안 되네요.
(世代が全く違うから会話があまりできませんね。)
韓国語の「できない」のまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は以下4つの韓国語の「できない」のフレーズを紹介しました。
- ~ㄹ/을 수 없다(~ル ス オッタ)
- 못 하다(モッタダ)
- ~ㄹ/을 줄 모르다(~ル チュル モルダ)
- 안 되다(アン ドゥェダ)
日本語では「~できない」というひとつのフレーズですが、韓国語にするとこのようにニュアンスごとに言い分ける必要があります。
自分の言いたい「できない」が”不可能”なのか、はたまた”方法が分からない”のか、考えながら使うと、それにピッタリの「できない」が使えるかと思います。
練習をしていくうちに何となくニュアンスがつかめるようになるので、何度も使って、聞いてみることをおすすめします。
それでは今回はこの辺で!